ドイツのレンズは怪獣みたいな名前が付いていて親しみやすい。
特にツァイスやシュナイダーのレンズは、距離(distance)の怪獣ディスタゴンとか生物学(biology)の怪獣ビオゴンとかもうレンズで怪獣ごっこができてしまう。
この怪獣名ごっこ、ドイツ人にもアメリカ人にも通じない日本語だけの楽しみだけど、安価なM42にこの手の怪獣レンズが多く、名前買いしてしまったのもある。
シュナイダー製Curtagonというレンズがそれで、カーテンの怪獣(Curtain-gon)というなんとも脱力系な怪獣名が気に入った。調べてみたらだれもCurtagonをほめてなかったのでさらに脱力ものだったが、作例のボケがキレイなのでeBayで漁って難ありの安いのを落札した。
来たレンズはフィルター枠はつぶれ、ヘリコイドがひっかかってピントが合わせにくい難物だったけど、幸い光学系はとてもきれいだった。
ところがこのレンズで撮ってみたら、ヘリコイドのせいでピンぼけ写真を大量生産してしまった。 幸いな事にボケがきれいなので、かえって良い効果になる場合もある。モノクロフィルムのトーンと粒子とあいまって、良いエフェクトになるのだ。
そういうのは撮ろうと思って撮れない写真だ。写真って面白い。