カミさんが日本で三温糖をよく使っていたと言う。
サンオントウ? 日系マーケットで見た事あるな、と調べてみた。すると三温糖は上白糖に糖蜜を添加して数回加熱して結晶化させた、日本独自の砂糖なのだそうだ。そして日本では砂糖と言えば三温糖の元の粉状の上白糖を指すらしい。
アメリカでシュガーと言えばグラニュー糖だ。茶色のブラウンシュガーはグラニュー糖にモラセスという廃蜜を足したもの。その二種類でほぼなんでも事が足りる。
日本で一般的な上白糖はアメリカではキャスターシュガーと呼ばれメレンゲやカクテルとか特別な状況でのみ使われる。どうやら日本と欧米では普通に「砂糖」と呼んでいるモノが違うらしい。
そして日本では砂糖をいろいろと使い分ける。欧米風のビスケットやスポンジケーキはグラニュー糖で作るし日本のしっとりしたカステラや和菓子風の料理は上白糖で作る。そして煮物は三温糖。伝統的な和菓子には和三盆。
ほんの1−2%含まれる添加糖や糖液の違い、そして結晶の大きさが料理の出来上がりに影響を及ぼすからなのだと思う。
カミさんは「砂糖は砂糖でしょうよ」と言いながら三温糖を使っていた。砂糖ひとつをとってもふつうに多種類を使い分ける日本の食文化の多様性ってけっこう良いんじゃないか。