確か前にも書いたのだけどVivian Maier (1926-2009) という女性写真家の写真は見ていて飽きない。
この人はどこへ行くにもローライ二眼カメラを携えてたけど撮った写真は誰にも見せなかったそうだ。 だから全く無名。 写真集もないし、個展なんかしなかったし、写真撮りの友達もいなかった。 生涯独身で家族も無し。 かなりの変人だ。
彼女は膨大な数の写真を撮り続け、撮ったフィルムはどんどん溜まる。箱に無造作に投げ込まれた多数のフィルムは保管場所が無くなり最後には骨董屋でたたき売られる事になった。 このフィルムの山を今から1年ほど前、とある青年が買い取った。 何十万コマ相当のフィルムの数で、未現像のフィルムが相当数あるそうだ。
青年は写真には大して興味がなかったのだが、試しに買い取ったフィルムを現像してみた。そして現像からあがってきた写真が50年も前にローカルの場所で撮られた事に気がつき、同じ場所へ行って同じような写真を撮ってみようとするが、とても難しいことに気がつく。 彼女の写真はレベルの高いものだったからだ。
その青年は中判フィルムの裏紙に書いてあった名前からVivian Maierの存在を知り、コンタクトを取ろうとするのだけど、その矢先にVivianの死亡告知を新聞で見つける。
とまぁ映画みたいな話だけど、これが現実にあったのですよ。 FlickrのHCSPグループの掲示板でこの青年本人が質問してた。
話はそれるけど、このビビアン・メイアー、ほんとに不思議な人だけど、1930年代にフランスから移民した、と読んで「あぁ、それはあるかも」と納得してしまった。 今まで数人のフランス人と知己になったが、フランスには行った事も住んだ事もない。だからワタシの思い込みかもしれない。けどフランス人だったらそういうこともありうる。 なんか納得。
とにかく今、彼女を題材にしたドキュメンタリーを撮ってるそうで、これをすごく楽しみにしている。 さらにシカゴで彼女の取った写真を展示するそうでそれを観にシカゴまで行こうか考え中だ。