代用魚

一昔前、アメリカで高級食用魚としてチリアン・シーバスという魚が流行った。

ちょっとしたレストランへ行くとステーキ並みの値段で出していたし、いろんな料理に応用されていた。フュージョン系のレストランでアメリカ版粕漬けチリアン・シーバスを食べた事もある。

ところがしばらくするとチリアン・シーバスは全然シーバスではなく、パタゴニアン・ツースフィシュ(日本名マジェランアイナメ)という南氷洋で穫れるブサイクな魚だと言うのが知れ渡ってしまった。

この魚は深海魚で成長が遅く、需要が高まったので密漁や乱獲が問題になり、名のしれたレストランが環境保護を理由に扱うのをやめるようになったからだ。このマジェランアイナメは日本でも銀ダラの代用として消費されているそうだ。

数日前にカミさんがコストコでマグロの赤身を買ってきたのだけど、その時マンボウを売っていたそうだ。マンボウって食べるのか、と思って調べたらなんとアカマンボウの脂がのった身はネギトロの材料として流通していた。

それだけでなく、アカマンボウからはマグロとそっくりな赤身がとれるそうだ。見てくれもそっくりだし、食べ比べてもわからないレベルだそうだ。

カミさんはマグロで美味しい漬け丼を作ってくれたんだけど、はて、売ってたマンボウからとれたはずの赤身ってどうなったんだろうか。