産業革命の旗手だったイギリスは内陸運送のために運河が無数に作られた。全長数千マイルに及ぶ運河網が残っていてレジャーや観光に使われるようになっているようだ。
運河は狭く幅2メートル弱の細長いナローボートで行き来する。ナローボートはほぼ全長が船室になっている。狭いがリビングスペースがあり、ベッド、キッチン、トイレ、シャワーもある。日本のワンルームマンションを細長くして用水路に浮かべたようなものだ。
イギリスの田園風景を眺めながら住んでる家ごと好きなところに行けるわけで、ナローボートに住みながら運河で英国内を旅する人たちは相当数いるようだ。
サンディエゴ湾でも平日の日中にマリーナに行くと別世界だ。船はたくさんあるが誰もいない。たまに魚を追うアザラシがその辺で顔を出してプハーッていってるぐらいだ。
時々マリーナの船の中でパソコン開けて仕事するのだけど、水上にいると風と水は感じられるのに人間の喧騒と切り離された、そんな不思議な異世界にいる気がしてくる。
目の前に陸地があっても、水上の世界は特別だ。船に住んで寝起きしてあの世界が当たり前になってしまったら、陸上の現実世界には返って来にくいと思う。
ナローボートで暮らしてる人たちは田園風景眺めながら水上世界に住んでいるのだけど、好きなところで船を駐めて陸に上がれる。その辺のパブに呑みに行けちゃう。その辺はちょっとうらやましい。