コロノスコピーは日本語で大腸内視鏡検査という。アメリカでは一定年齢になると主治医が処方して半強制的に受けさせられる。 自分も年一回の健康検診に行った際に検査することにされた。
ナイシケキョウケンサ、なんて聞いただけで怖気づいた自分はすっかりバックレる気だったのだが、病院から怖そうなオバサンが予約しなさい!とがんがん電話してくる。カミさんにもこんこんと説教されてしまい、ここはひとまず決死の覚悟で検査を受けることにした。
そしたら思ってたよりまったく楽だった。なので体験談を書いておきたい。
検査の準備
検査にあたって一番大変だったのが準備だ。
内視検査のためには大腸が空でないとならない。ということで飲まされるのだ。
超強力な下剤を。
下剤というとなんとも苦しそうなイメージなのだけど、自分が処方されたのはポリエチレングリコールという高分子化合物。スポーツドリンクと同じ電解質が入った大量の水分と一緒に摂取する。
大腸は水分を吸収する働きをしているのだがポリエチレングリコールが大腸の水分吸収を停めてしまう。そこに大量に摂取した水分を通すと腸が洗われる、という下剤と言うより腸洗浄の役目を果たすのだ。
これを検査前日と検査当日の二回に分けて行う。
だがポリエチレングリコール入りのドリンクはそのままではものすごく不味い。生で飲むと戻してしまう人もいるそうだ。
そこで冷蔵して思い切り冷やし、数百CCずつ舌に当たらないようにストローで一気飲みするとそれほどつらくなかった。
また検査の数日前から肉や食物繊維を減らし、二日前はJelloというアメリカ人が大好きなゼリー(赤色以外)ばかりで過ごしたのでさらに楽だった。
内視鏡検査
検査そのものはあっけなかった。
内視鏡には組織を切除する仕掛けがあり、実は手術扱いなのだ。だから病院へ行くと着替えさせられ手術室へ行く。
担当医は人当たりの良いインド人。 看護士は控室にいる時からいろいろ世話を焼いてくれたし、いろいろ説明もしてくれてとても感じが良かった。
そして手術テーブルの上に寝て麻酔用の点滴を刺され、あぁそういえば酒呑みには麻酔効かないっていうけど、ボク、麻酔効かなかったらどうし....
とまで考えたのは覚えてるが、次の瞬間看護士さんに声をかけられた気がして目が覚めたら検査はすっかり終わっていた。
まだちょっとフラフラしながらカミさんに運転してもらって家に帰って終わり。
検査結果
病院では帰る前に検査結果を教えてくれる。三ミリぐらいのポリプが一つだけあり、切除したとの事だった。
切除したポリープは検体検査に送られ、1−2週間後にbenign (良性)でしたよ。じゃあまた10年後に検査してね、と手紙が来た。
アメリカでも日本でも大腸がんは癌による死亡率の中でトップ3に入り、大腸がんの発生率は人口の7%だそうだ。大腸には感覚神経が無いそうで自覚症状はかなり進行してから出るらしい。
だが、大腸がんは進行速度が遅い。なのでアメリカでは定期的に内視鏡検査を受けておけば高い確率で予防できる、という考えのようで、一定年齢に達したら10年毎に医療機関が無理やりやらせてしまう。
ただ受ける側としては検査にはかなりの抵抗があると思う。自分みたいにバックレようとする人も多いようだ。その気持ちはよくわかる。
だが、実際にやってみて検査そのものは麻酔で寝てたので全然楽、というかそもそも覚えてない。準備にはそれなりの覚悟が必要だったし、準備中はトイレから遠く離れる事はおすすめしないが幾つかポイントさえ抑えればきつくない。
なのでもし検査を勧められたらバックレたりせずさっさと行って来ることをおすすめする。