アドワーズの中の人
アドワーズとはグーグルのクリック広告配信サービスだ。広告というのは検索の横に出ているアレだ。ウチのカミさんが自分のビジネスを広告するのに10年以上使っている。
ここ2,3年、グーグルからアドワーズ・ストラテジストなる人達が電話してくるようになった。
最初はセールスだろう、と相手にしなかった。でもしつこいので相手してみたらほんとにアドワーズの中の人で、アカウントを開けてみていろいろアドバイスをくれる。 調べてみたらほんとにグーグルの社員でそこそこの給料を取ってるようだ。 日本には零細ビジネス向けのアドワーズストラテジストはいないようだが。
アドワーズの恐怖とは
アドワーズは検索キーワードを選びクリック価格を設定し、そのキーワードが検索されると広告が表示する仕組みだ。日本でもアドワーズの本とかいっぱい出てるから説明は省くが、コンセプトは簡単だけどいろんな設定があって使いこなすのは意外と難しい。
さらに知ってる人は知ってるだろうけど、アドワーズは気をつけないととんでもないコストがかかってしまう。 なぜならめぼしいキーワードにはすでに多数の広告が張られ、その上位に表示されるためには高いお金をかけないとならないからだ。 さらに競争が激しいキーワードはコストと広告効果は比例しないことが多く、売上より高いコストがかかったりしてしまう。
ストラテジストのアドバイスとは
で、アドワーズ・ストラテジストは何をアドバイスしてくれるのか。 この1,2年 何回かストラテジストと話ししてきたが、だんだん彼らがチェックする項目のパターンがわかってきた。
まず、無関連なキーワードに広告を表示していないかチェックする。そしてキーワードの成績を見る。キーワードの品質スコアはどうやらバウンスレートも考慮しているらしく、これも見る。バウンスとは広告をクリックしてきたユーザーがサイトを見もせずにどっかへ行ってしまう事を言う。 顧客にはなりえないユーザーだからだ。
無関連なキーワードは停めてしまう。 品質スコアが低いキーワードも停止するかなんらかの手を打たないとならない。
基本が全て
けっきょくサイト内容に興味がないユーザーを引き寄せる広告や低品質キーワードはさっさとやめちゃいましょう、ということになる。 Eコマースにしろビジネスサイトにしろ顧客層にアピールしないと全く意味が無い。考えてみればこれは広告の基本だ。
基本はみんなわかっているのだが、広告とはそんなに簡単なものでもない。けっきょく面倒くさいしよくわかんないから、とほっぽりだしてしまう。
でも基本ができてないユーザーが多すぎると、アドワーズ広告のシステムそのものの品質がさがってしまう。 だから、ストラテジストをいっぱい雇って無料でアドバイスしてまわっているのではないかと思う。
アドワーズに褒められた
で、いろいろ試したのだが、最終的に基本に忠実にキーワードや広告コピーを絞り込んでいった結果、クリックスルー率もコンバージョン率も今までにない高い数字になった。それで喜んでいたらまたストラテジストから電話がかかってきた。
いつものようにストラテジストが成績をチェックしたが何も改善することがない。なのですぐ電話は終わったが終わり際に、このカミさんの広告キャンペーンの成績はレベルとしてどうなの? 良いの?悪いの?と聞いてみた。
すると、「パフォーマンスは今までみたキャンペーンの中で最高レベルだ」とグーグルの中の人直々にお褒めの言葉をたまわってしまった。
でも好成績な広告キャンペーンを展開している顧客になんでストラテジストがコンタクトしてくるのだろう。 不思議に思ってさらに聞いてみた。
すると、「自分たちにもわからない。電話をする顧客はシステムが自動で選ぶから」と返事が返ってきた。