Vivian Maier、一時期とても興味を持ってて彼女の写真を現像・スキャンしている人たちの活動をフォローしていた。 誰も知らなかった女性写真家が自分のためだけに何十年も膨大な量のストリート写真を撮り続け、そのフィルムの山を現代の若者が見つけた、という話しだ。
実は前、マンハッタン・ビーチへHadoopのトレーニングへ行った時、ちょうどロサンゼルス郊外でVivian Maier展が開かれていたので行ってきた。ロサンゼルス周辺はやたらとだだっ広いのでマンハッタン・ビーチからでもかなり遠かったが頑張って行ってきた。
展示があったのは倉庫といった方が良いような古いレンガ造りの建物の中だった。 モノクロのプリントが数十枚。カラーも20枚ぐらいはあったろうか。
見応えある展示だったのだが、いくつか気になった事があった。 プリントはビビアン本人が焼いた(焼かせた?)物が数枚あって、そのプリントは彼女の意思みたいな物が感じられた。 だが残りはビビアンの写真を発掘したジョン・マルーフがストレートにプリントしたもので、どうしても違う。
まぁ、それはしょうがないから目をつむるとしよう。でももうひとつ見てまわるにつれ気になった事がある。 プリントの値段だ。プリントにはなんと一枚7000ドルから1万ドル以上の値段がつけられていた。
ビビアンの写真が一躍注目を浴び展示まで出来るようになったのはKickstarterのクラウドファンディングで無名のアマチュア写真家だった彼女の作品を観て彼女のストーリーを知りたい人たちからン千万円のお金が集まったからだ。
なのにその金を元手にしてビビアンの作品を売って歩くというのはどういうつもりなのか。プリントの値段はあきらかに数千円単位のクラウドファンディングをするようなフツーの人たちを対象にしていない。
ビビアンのクラウドファインディングには何十万円相当の金額を出した人はいない。興味を持つお金持ちはいるだろうけど、自分の所有物にならないモノにそんな額を出す人は少ない。
この展示にはハリウッドの俳優だかが関わったとのことで、そのせいもあるのかもしれない。 でもただただ自分のために写真を撮り続けたビビアンのストーリーが捨て置かれプリントが「普通の」内装品にいかがですか、といわんばかりに陳列されているサマはすっかり興ざめだった。
こんにちは。ご無沙汰してしまいました。
ビビアンの写真展、お話を読んでがっかりしてしました。
彼女は自分だけで写真を撮り、楽しんでいたんじゃないかと勝手に想像していましたが、それを見つけた人が多くの好意を集めて、それで商売してしまうとは・・・。それが現代のありかたなんでしょうけど、どうにも気分は良くないですね。それにしても7000ドルとは!
これはこれはお久しぶりです。 そうなんですよね、ビビアンの写真が形になるのはクラウドファンディングに参加する人の思い入れがまとまるからなわけですが、それとアートをコレクションとして売り買いする世界はとても異質な気がしました。