オペラ

昨日、久しぶりにオペラを観てきた。 といってもオペラは秋から春にかけて上演される。今時やってない。

ニューヨークのメトロポリタンオペラ劇場が舞台を世界中の映画館で中継放映するようになった。この一環として先シーズンに録画されたものを夏のアンコールとして、映画館で観れる。これに行ってきたのだ。

パフォーマンスはもちろん世界トップクラスだが、録画はHDで画質も色も良い。 録音のレベルもかなり高い。 オーケストラはきちんと録れているし、肝心の歌声が良く録音されている。 歌手が舞台を動き回ってもレベルや音が変動せず違和感が無い。

もちろん生で観て肉声を聞くのには及ばない面もあるが、映画館の方が良いと思った事がいくつかある。 実際にメトロポリタンオペラ劇場に行った事があるが、普通席だったら遠くて歌手の表情がよくわからない。 奮発して舞台のすぐ前の席を取っても、歌手を見上げる形になるし舞台がよく見渡せないものだ。

これが録画だとアップで表情がよく見えるし、歌う順番に歌手を写すのでストーリーや曲を追いやすい。 ある意味もっと臨場感がある。

それと、幕間にバックステージで歌手達にインタビューをしていて、これが面白い。 今回見たのが喜劇オペラだったせいもあるが、歌手の人達がジョークを飛ばしながら心底楽しそうに受け答えしていて、とても親近感が持てた。 これは舞台には無い。

さらに映画館の方が圧倒的に優れていることがある。オペラ劇場はそれなりの格好でいくところだが、映画館は短パンTシャツにスニーカーでいくところなのだ。シートは座りごこちが良いし、エアコンは利いているし、ふんぞり返ってポップコーンを食べながら観れる。

そう言えば、サンディエゴのオペラは終わったあと駐車場が混雑する。なので少しでも早く車を出そうと、カーテンコールが終わったとたんにみな出口に殺到し、駐車場まで殺気立ったお年寄り達と押しのけあいながら競争(競歩)になる。映画館ではこれも無い。気楽な事この上ない。

お値段もたった15ドルなのでお得だ。 夏のアンコールシリーズは日本では観れないが、この秋から始まるシーズンは日本の映画館で録画中継で観れる。かなりのお勧めだ。