Dorothy Lange

Dorothy Langeはアメリカの女流写真家で、大恐慌時代に貧困に喘ぐ人々を撮った写真で有名だ。

あまり知られてないのだが、この人は太平洋戦争中に強制収容された日系人の写真もたくさん撮っている。 貧困がテーマというより、不可抗力で平穏な日常が無くなり、理不尽な状況におかれた人々を撮っていた感がある。 この強制収容所はアンセル・アダムスも写真を数多く残している。 

南カリフォルニアには何万人と日本人がいるが、ほんの半世紀前のそういう歴史を知っている人達はあまりいないと思う。それでもドロシー・ラングやアンセル・アダムスが撮ったような銀塩写真が残っていれば歴史は現実として存在し続ける。 なんとも大きな写真の力だ。

くだらないテレビ番組もツィッターもフェースブックも50年も経てばカケラも残ってないだろう。そういうものにいったいなんの価値があるのかと時々Dorothyの写真集を広げて考えてしまう。