Kickstarter.comと言うサイトがある。映像・画像・舞台・音楽・出版などの制作資金を一般から募るサイトだ。
ガイドラインに沿えば誰でもサイト上で一般からお金を募れるが、一定期間内に目標額に到達しないとならない。目標に達しないプロジェクトは放棄されるのだ。これの面白いところは例えば映画は特定の世界で作られてから一般へ出て来るが、それを逆転させている事だ。われら凡人が実現させたいアートに資金が集まり制作へつながる。制作側の独りよがりや、能書きだけでは形になれない。
以前書いたビビアン・メイヤーの写真を発掘したジョン・マルーフ青年がドキュメンタリー映画を制作すべく、このkickstarter.comで資金集めをしている。映画のコストだけでなく、ビビアンの何十万コマとあるフィルムを現像するコストもある。なにをするにも金が掛かる世の中だ。
マルーフ青年が集めようとしているのは2万ドル。物価からすれば200万円ぐらいだ。これで映画を作り、ビビアンのネガを現像し保存するという。募るのは一口10ドル、千円から。だから出資というより募金と言った方が正しい。
マルーフ青年が募金をはじめたその日、ワタシはkickstarter.com上で小額ながらお金を出す事にした。他にも数人が募金に応じており、興味を同じくする人達が嬉しく思えた。だが、2万ドルはドキュメンタリー制作には少なく思えたし、小口募金の目標としては高額に思えた。だから達成には懐疑的だった。
ところが今日、kickstarter.comを開けてみて驚いた。わずか半月で300近い人たちがお金を出し、合計はすでに目標の7割を超えている。しかもこのブログを書いている間にも目に見えて数字が上る勢いだ。期限の3月には目標額を遥かに超えるだろう。
半世紀以上、自分のためだけに写真を撮り続けたビビアン・メイヤー。ガラクタの中に残された膨大な未現像フィルムの山。そしてその両方を記録に残そうとする青年。
わくわくするぐらい面白いじゃないですか。
Kickstarterホームページ: www.kickstarter.com
Kickstarter のビビアン・メイヤー映画ページ: http://goo.gl/RJXWq
Vivian Maier - Her Discovered Work: www.vivianmaier.com