半年ぐらい前にマドリッドでプラド美術館に行ってきた。 週末だったせいかニホンジン観光客が多くて驚いた。
この美術館はやたらと大きいが、そこはスペイン。展示の並べ方はかなりいい加減だ。 特に大部屋の眼につきそうなところには所狭しと宮廷肖像画ばっかり並んでる。
自分に審美眼が無いからだろうけど、はっきり言って中世のポートレートはつまらん。 2、3枚も観ればたくさんだったけど、この美術館、入ったところから知らない貴族たちの肖像画が延々と続く。 しかもそういう部屋に限ってものすごい混雑だ。
しょうがないから、どんどん飛ばして次の部屋へと進んで行くと上や下の階の端っこの方の部屋にたどり着く。 こういうところに面白い絵画やガラス細工の展示があった。そういう部屋はなぜかパンフレットにあまり載っていないので観光客もあまりこない。なのでゆっくりと観て回れる。
でもけっこう印象に残ったのはゴヤの黒絵画だった。 黒絵画は黒くて題材がショッキングでとまぁいろいろ能書きは知られている。
でも観たら実物の絵の中の人間の顔がみな変なのだ。 愚鈍と言おうか無表情と言おうか、なんか異質で変。 とにかく変。これはこれでとても面白かった。
どうも歳を取ってからゴヤは精神を病んでたらしいが、それが表れているのか。 外に出てゴヤ像を見たら確かに気難しそうなオッサンだった。