ガソリン価格の上昇は一息ついた感がある。
アメリカでは燃費の悪いSUVの中古価格が暴落して、ウチの会社が出版している査定価格も毎週更新では追いつかないそうだ。 新車にいたっては在庫がだぶついて、利幅の大きい超大型SUVやトラックに利益を頼っていたアメリカのメーカーはどうにもならないらしい。
なにしろ中古のホンダ車の在庫は仕入れて数日で回転してしまうのに、クライスラーの大型トラックは全米で190日分の在庫が売れずにディーラーで埃をかぶっているのだ。
アメリカは毎年9月に新モデルが発表されるので、その時点で旧年のモデルは不良在庫になる。 だからクライスラーは9月にはトラック年間生産量の半分以上を不良在庫として抱える事になるのだ。
クライスラーだけでなく、GMもフォードもアメリカの自動車メーカーは似たような状況で、お先真っ暗だと思う。
ただ、ガソリンが一ドル上がっても年間のガス代はせいぜい10万円余分に払うぐらいの話だ。 アメリカで新車を買ってローンを組むと月に5万から10万円の支払いで、そこへせいぜい一万円ガソリン代が上がったところでそこまで家計を圧迫する訳ではないと思う。
じゃあなぜアメリカの自動車売り上げがそこまで変化するかというと、これは群集心理によるものだと思う。 例えば30年も前に石油価格が高騰した時、日本中がパニックになってトイレットペーパーを買いだめした。 あれと一緒だ。
そういう意味では今は第3次石油ショックなのかもしれない。