つけペン

万年筆のペン先をニブというんだけど、この金属ニブで字を書くようになったのは19世紀初頭らしい。

19世紀の終わりには毛細管現象で書く万年筆が登場したのだけど、その前はニブをインクにつけて(デイップして)使っていた。なのでつけペンは英語でデイップペンと呼ぶ。

アルファベットには幾つも書体があるのだけど、書体の線幅を自在にコントロールして筆記体で書けるようになったのはこのディップペンが登場してからだ。なのでカリグラフィーと呼ばれる欧米版の習字はディップペンで書くのが主流だ。

自分もこのつけペンを試してみたのだけど、これがやたらとむずかしい。万年筆と違ってインクは表面張力でつけペンの先にのる。これが曲者なのだ。

インクを上手にペン先に乗せないとインクが紙に乗らなかったり、かと思うと突然滴り落ちてくるのだ。そして字幅を太くしすぎるとインクがシャボン玉のように弾けて書けなくなる。またペン先はとても鋭く筆圧を限りなくゼロに近くしないと紙に引っかかってインクが飛び散る。

丸二日練習してようやく字画の多い大文字が書けるようになった。

つけペンカリグラフィー
つけペンで書いてみた

面白いことに日本のマンガを書く時に使うGペンというのはカリグラフィー用のペンと同じもので、アメリカの文房具屋さんでも日本のマンガ用つけペンニブを売っている。漫画家の人にカリグラフィーさせたらすごく上手に出来るのかもしれない。

挽肉

自分はハンバーガーを食べる時はとびきり美味しいのを食べる事に決めていた。アメリカは昨今グルメハンバーガーが流行りでサンディエゴにも幾つも高級ハンバーガーの店ができたのでちょこちょこと行ってみてた。

うーん、美味いことは美味いんだけどバンやソースに比べて主役のはずの肉の味がイマイチな気がする事が多い。

本当にこだわる人は自分で肉を選んで挽いて焼くのだそうだが、今度はそれに太刀打ちできるバンが必要になる。自分で肉挽いてバンまで焼いて試食しながらハンバーガーの研究してたら体重超過まっしぐらだ。

だからもうハンバーガーにはできるだけ近寄らないようにしている。

日本に合いびき肉といって牛肉と豚肉がすでに混ざったひき肉が売っているそうだ。アメリカには合いびき肉は売ってないし、挽肉を使う一般的なアメリカ料理、例えばハンバーガー、ミートローフやラグー・ボロネーズは牛肉しか使わない。イタリアンミートボールは牛と豚を混ぜるけど作る人が自分で混ぜる。

合いびき肉を使った日本料理の代表はハンバーグだけどハンバーガーとはかなり異なると思う。ハンバーガーは牛挽肉を焼いてバンにはさんだもので、ハンバーグは合いびき肉にいろいろ混ぜてふっくらと仕上げるので味も食感もかなり違う。

日本のハンバーグに一番近い料理はソールズベリー・ステーキと呼ばれる牛と豚の挽肉にパンくずやオーツを混ぜて焼いたものだと思う。ただソールズベリー・ステーキはTVディナーと呼ばれるレトルト食の代表選手で、家庭料理のハンバーグとは全く違うイメージだ。

コミュ障上等

コミュ障って日本語を知ったのはそんなに前ではない。社交性に欠け、人付き合いが苦手で、会話が成立しにくい。そういう意味らしい。

アメリカではそういう言葉は無いけど、「極端に内向的」「スポーツに興味を持たない」「恋愛に奥手」「特定分野に異様に詳しい」人をナードと呼ぶ。

1980年代にはナード達は脚光を浴び、テクノ・ニューウェーブの騎手となり映画「ナーズの復讐」やディーヴォの音楽が大ヒットした。音楽だけでもその流れが日本でもYMOとかPOLYSICSと受け継がれてったぐらい大きな流れを作り、逆にマッチョのイケメンやおねいさん達を「ジョック」と見下して張り合うぐらいの社会的立場を確立した。

自分が知ってるアメリカのナード達は確かにスカしてるイケメン・美女たちに見下されて相手にされてなかった。けどそういう人たちは「普通の」みんなにウケるコミュニケーションをしたがらないだけで、実際はいろいろな事に造詣が深く創造性に長け話しだすと奥が深い人が多かった。

自分はジョックとは話が続かなかったけどナード達とはずっと話してられた。まぁそれは自分がナードだからかもしれないがそれは置いとくとして、コミュ障がナードならアメリカでコミュ障は褒め言葉で通るよね。コミュ障上等じゃん。