コミュ障上等

コミュ障って日本語を知ったのはそんなに前ではない。社交性に欠け、人付き合いが苦手で、会話が成立しにくい。そういう意味らしい。

アメリカではそういう言葉は無いけど、「極端に内向的」「スポーツに興味を持たない」「恋愛に奥手」「特定分野に異様に詳しい」人をナードと呼ぶ。

1980年代にはナード達は脚光を浴び、テクノ・ニューウェーブの騎手となり映画「ナーズの復讐」やディーヴォの音楽が大ヒットした。音楽だけでもその流れが日本でもYMOとかPOLYSICSと受け継がれてったぐらい大きな流れを作り、逆にマッチョのイケメンやおねいさん達を「ジョック」と見下して張り合うぐらいの社会的立場を確立した。

自分が知ってるアメリカのナード達は確かにスカしてるイケメン・美女たちに見下されて相手にされてなかった。けどそういう人たちは「普通の」みんなにウケるコミュニケーションをしたがらないだけで、実際はいろいろな事に造詣が深く創造性に長け話しだすと奥が深い人が多かった。

自分はジョックとは話が続かなかったけどナード達とはずっと話してられた。まぁそれは自分がナードだからかもしれないがそれは置いとくとして、コミュ障がナードならアメリカでコミュ障は褒め言葉で通るよね。コミュ障上等じゃん。

代用魚

一昔前、アメリカで高級食用魚としてチリアン・シーバスという魚が流行った。

ちょっとしたレストランへ行くとステーキ並みの値段で出していたし、いろんな料理に応用されていた。フュージョン系のレストランでアメリカ版粕漬けチリアン・シーバスを食べた事もある。

ところがしばらくするとチリアン・シーバスは全然シーバスではなく、パタゴニアン・ツースフィシュ(日本名マジェランアイナメ)という南氷洋で穫れるブサイクな魚だと言うのが知れ渡ってしまった。

この魚は深海魚で成長が遅く、需要が高まったので密漁や乱獲が問題になり、名のしれたレストランが環境保護を理由に扱うのをやめるようになったからだ。このマジェランアイナメは日本でも銀ダラの代用として消費されているそうだ。

数日前にカミさんがコストコでマグロの赤身を買ってきたのだけど、その時マンボウを売っていたそうだ。マンボウって食べるのか、と思って調べたらなんとアカマンボウの脂がのった身はネギトロの材料として流通していた。

それだけでなく、アカマンボウからはマグロとそっくりな赤身がとれるそうだ。見てくれもそっくりだし、食べ比べてもわからないレベルだそうだ。

カミさんはマグロで美味しい漬け丼を作ってくれたんだけど、はて、売ってたマンボウからとれたはずの赤身ってどうなったんだろうか。

エロクエンス

英語にエロクエンスという言葉がある。エロではじまるけど残念ながらいやらしい意味はなくて、日本語で弁舌、雄弁、熱弁、立板に水と言ったものを全部ひっくるめた、「人の理解を得て共感に訴える話力」といった意味の言葉だ。

ビジネスの世界だけでなく技術系の仕事でも人の輪の中で仕事をしたり、リーダーシップを発揮するには必須な能力だと思う。昔からそういう能力を持った人と仕事するたびにエロクエンスというものを実感させられてきた。

アメリカでそういう人たちは外国出身な場合も多く、完璧な英語を喋るわけではない。アメリカの企業のトップでも強いアクセントがある人が結構いる。そういう人たちの喋りに触れているとLとRの発音とかそれほど大した事じゃないと思う。

それだけでなく、著名な人には吃りがあった人がよくいる。ダイ・ハードのブルース・ウィリス、マトリックスのサミュエル・ジャクソン、ヴァージン・グループの総帥リチャード・ブランソン、前副大統領のジョー・バイデンまで共通して子供の頃吃音が酷くイジメにあっていたと言う。

面白いのはミスター・ビーンで有名なローワン・アトキンソンだけど、彼も吃音がひどかったそうだが、違うキャラになりきるととたんに吃音が無くなるそうだ。

そういう話を聞くとアクセントや吃りなどは克服できる表面的な事なんだなと思う。