フィルム現像はモノクロでもネガでもポジでも基本的なステップは変わらない。
モノクロフィルム現像
フィルムをリールに巻いてタンクに入れ、数種の液を入れ替えて攪拌して、最後に水洗いして終わり。とても簡単。
- ダークバッグの中でリールにフィルムを巻いてタンクに入れる。
- 現像液をタンクに入れて現像。
- 停止液(水)で現像を止める
- 定着液で定着。
- 水洗。良く洗うのは必須
- 吊るして乾かす
2の現像でモノクロの画の明暗が決まる。これは実は露出と時間と温度と撹拌で決まる。インターネットにはこれらについてなんかいろいろ難しい事がいっぱい書いてあるけど、そんなのは無視して良い。
カメラの癖、撮影テクニック、温度、現像時間に撹拌方法と変数が多すぎて最初は何がなんだかよくわからなくて当たり前なのだから。
最初は現像オーバーになって白とびして、じゃあ、と露出を暗くして、現像を短くして撹拌を減らして真っ黒にアンダーに現像してしまう、というのが普通だろう。 気にせずいろいろ試してみるとだんだんわかってくる。 そしたらしめた物で、出来上がりのコントロールを手中にできる。
モノクロフィルムは明暗だけでなく、粒子の粗さ、明暗の境界のくっきりさとか無限に違う仕上がりにできるのでさらに奥が深い。
3のはリール巻きは唯一熟練が必要。フィルムを一本無駄にして何回か巻いてみると良い。
カラーフィルム現像
カラーフィルムはモノクロより手間がかかるので、自分でやろうと言うのは物好き(ワタシです)か、クロスプロセスをやってみたい人とか限られて来ると思う。 参考までに。
カラーネガ・C-41現像
カラーフィルムというとネガが一般的。 C−41と言うのは現像方法の名前。現像するとオレンジ色のフィルムベースの上に色が反転した像が出て来る。 フィルム上の感光した部分の染料を取り去るプロセスで、ネガだと現像、漂白、定着というステップになる。 現像キットは漂白と定着が一緒になっている場合が多い。
カラーネガの現像もモノクロと基本は変わらない。 唯一特定の温度で処理しなければならないので、お湯を使って温度を一定に保たないとならない。
下記はTetenal, Unicolorなどの3液キットでの手順。
- 湯煎して薬品を38度に温める
- ダークバッグの中でリールにフィルムを巻いてタンクに入れる。
- 湯煎してタンクごとフィルムを38度に温める
- 現像液をタンクに入れ、温度を保ちながら所定時間に所定の攪拌をする。
- 現像液を出して漂白停止液をタンクに入れて攪拌
- 漂白定着液を出して水洗(スタビライザーを使う場合もある)
- 吊るして乾かす
なお、カラーネガは色がまともに出ないのが普通。スキャンした後ホワイトバランス調整が必ず必要になる。グレーカードを撮って傾向をつかんでおくと簡単。
カラーポジ・E-6現像
ポジ、リバーサルフィルムと呼ばれるが、透明なベースに像が浮き出て来る。吊るしたときにあざやかな色が見えるのには毎回感動する。
カラーポジは手順が多いがこれも基本は変わらない。
下記はTetenal, Unicolorなどの4液キットでの手順。E-6の4液キットは現像液が2種類あって、各ステップごとに水洗が入るのでけっこうめんどくさい。
- 湯煎して薬品を38度に温める
- ダークバッグの中でリールにフィルムを巻いてタンクに入れる。
- 湯煎してタンクごとフィルムを38度に温める
- 第一現像液をタンクに入れ、温度を保ちながら所定時間に所定の攪拌をする。
- 第一現像液を出してタンクの中で水洗
- 第二現像液をタンクに入れて攪拌
- 第二現像液を出してタンクの中で水洗
- 漂白停止液をタンクに入れて攪拌
- 漂白定着液を出して水洗(スタビライザーを使う場合もある)
- 吊るして乾かす